現在も毎年秋には伝統行事の『カテ祭』が盛大に行われているチャム塔は主祠堂、宝物庫、楼門の3棟で構成されている。
主祠堂の正面入口上部には6本の腕を持った踊るシヴァ神の鏡板装飾の彫刻が填め込まれ、その下部にはシヴァ神の乗り物であるナンディン(聖なる雄牛)の彫像が置かれている。
屋蓋四面に施されたニッチには、手を合わせ祈りを捧げるリシ(Rishi/苦行僧)の彫刻が填め込まれている。
黄昏時に楼門の片隅に腰を下ろし眺める光景は刻々と変化し静寂な夕闇に包まれていく。神秘的な雰囲気を漂わせるなか、ヒンズーの神々が舞い降りてくる様な幻想をいだかせる。
この遺跡との出会いは戦時中の1973年であった。
当時はチャンパに関する知識などほとんど無く、何だか古い建物だなァ!と思いながらモノクロフィルムで数枚撮っていた。 偶然に撮影していたとはいえ、今思えばそれがチャンパ遺跡との運命的な出会いだったのだろうか。
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