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1975年4月30日 サイゴン解放当時の市内と現在

2011年4月30日、サイゴン陥落から今年で36年目を迎えた。

今から36年前の1975年4月30日、サイゴン市内に南ベトナム解放民族戦線と北ベトナム軍の、 いわゆる解放軍が進軍して、南ベトナム共和国は崩壊し長いベトナム戦争は終結する。

その日のサイゴンは夜明け前から重苦しい雨雲に覆われ、言いようのない極度の緊張に包まれていた。
グェン・フエ通りの時計台をかすめて飛び回るツバメの群れが切迫する気配を無神経にかき乱しているかのようだった。

刻々と変移する状況のなか、サイゴン市内は一瞬の静けさを切裂くように急激な混乱状態に陥ることとなる。
北ベトナム軍の大部隊は詳細に計画が練られたサイゴン突入作戦を開始したのだ。
その地上部隊は四方から進軍し大統領官邸、参謀本部、タン・ソン・ニャット空軍基地などを怒涛のごとく 制圧して行った。

同日午前10時30分、前日の29日に南ベトナム共和国大統領に就任したばかりのズォン・バン・ミン将軍の 無条件降伏を宣言する声が国営のテレビとラジオから流れた。

その数日前の21日、南ベトナム共和国のグェン・バン・チュー大統領は急迫する事態の責任を取り辞任。
後任には穏健派の重鎮であるチャン・バン・フォン副大統領が大統領に就任するが4月29日辞任。
その後、南ベトナム共和国最後の大統領となるズォン・バン・ミン将軍が大統領に就任。
いずれの大統領も民族和解の精神に基づき一刻も早い停戦を要望するが、 北ベトナム政府代表団はその和平交渉の申し出を拒絶する姿勢を堅持し、 司令官のヴァン・ティエン・ズン参謀総長の発令でサイゴン突入作戦(後にホーチミン作戦)を開始する。

同日午前11時30分、北ベトナム軍の戦車が南ベトナム大統領官邸に突入して、 大統領官邸屋上に南ベトナム共和国臨時革命政府の旗が掲げられた。
ズォン・バン・ミン大統領ら南ベトナム共和国政府の閣僚は北ベトナム軍に拘束され、 サイゴンは陥落し南ベトナム共和国は崩壊する。

その後、南ベトナム共和国臨時革命政府が南ベトナム全土を掌握することとなるが、 南ベトナム共和国臨時革命政府は正式な政府として発展することは無く、 1976年7月1日に行われた南北ベトナム統一選挙の結果を得てベトナム社会主義共和国の樹立が宣言される。

それは南北ベトナム統一の歴史の始まりである。

 
     
     
  1960.12/20 南ベトナム解放民族戦線(省略名称:解放軍)結成。  
  1960.12/20 南ベトナム軍に対して武力攻撃を開始。  
  1964.08/02 トンキン湾事件。アメリカ合衆国は報復措置を口実に軍事介入して  
  1964.08/02 ベトナム戦争へと突入。  
  1965.02/07 アメリカ軍による北爆開始。  
  1965.03/08 アメリカ海兵隊のダナン上陸。  
  1968.01/30 テト攻勢。ベトナムの旧正月(テト)に南ベトナム全土の重要拠点を  
  1968.01/30 解放戦線が一斉攻撃。  
  1969.06/08 南ベトナム共和国臨時革命政府の樹立を解放戦線が発表。  
  1969.09/03  ホーチミン死去。ベトナム民主共和国の初代国家主席。  
  1970.04/26 南ベトナム軍とアメリカ軍は補給路であるホーチミンルートの  
  1970.04/26 遮断を目的にカンボジア領内に侵攻。  
  1973.01/27 パリ和平協定調印。ベトナム戦争の終結を約束した協定。  
  1973.01/29 ニクソン米大統領はベトナム戦争の終戦を宣言。  
  1973.03/29 南ベトナムからアメリカ軍の撤退完了。  
  1975.03/10 解放軍は南北ベトナム統一を目指して、南ベトナム軍に対し、  
  1975.03/10 前面攻撃の『ホー・チ・ミン作戦』を開始。  
  1975.04/08 南ベトナム空軍のグェン・タン・チュン中尉による大統領官邸爆撃。  
  1975.04/24 日本大使館は在留邦人(約170人)全員に最終退去勧告。  
  1975.04/27 南ベトナム解放民族戦線と北ベトナム軍によるサイゴン市包囲網は完了。  
  1975.04/29 フォード米大統領の完全撤退命令。  
  1975.04/29 米外交官、南ベトナム政府軍幹部とその家族らは脱出した。  
  1975.04/30 南ベトナムの首都サイゴン陥落。  
  1975.04/30 南ベトナム臨時革命政府が全権を掌握してベトナム戦争は終結。  
  1975.05/01 サイゴン市はホーチミン市へと改名。  
  1975.05/07 日本国政府は南ベトナム共和国臨時革命政府を承認。  
  1976.07/01 南北ベトナム統一とベトナム社会主義共和国の樹立を宣言。  
  1976.07/01 首都はハノイと公表。  
  1986.12/15 刷新(ドイモイ)政策を採択。主に経済の生産性向上、  
  1986.12/15 価格自由化など新方向への転換を目指した。  
  1995.08/05 ベトナム社会主義共和国とアメリカ合衆国の両政府は  
  1995.08/05 和解して国交回復。  
     
  1995.08/※ 後に、ロバート・マクナマラ国防長官は『回想録』の中でトンキン湾事件は、  
  1995.08/05 でっち上げであったと告白している。  
     
     
     
 

36年前の解放当時のサイゴン市内を撮影した写真に対比させ、36年後の同日、今では改名されて久しいホーチミン市内を撮影。

当時の姿を彷彿とさせる大通りや建造物、その一方では日々賑やかに様相を変えていく街並みに、遠い過去の記憶をたどりながら、同じ場所、同じアングルでの撮影を試みた。

解放後36年の年月を経て益々力強く発展する中、ベトナムの人々の生活は飛躍的に変化しています。悠久の昔から豊かな恵みをもたらしてきた大河メコン河の流れのように、何時までも変わることなく穏やかな日々であることを心から願っています。

 
     
        
        
      PHOTO GALLERYの中で、36年前の写真はほとんどがモノクロですが、  
      一部カラーのものがあります。  
      写真右下にマークのあるカラー写真は36年前の写真です。  
      
 
 
   
   
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