最南端に位置してファンティエットの海を眺望する高台のチャム塔は主祠堂、小祠堂、北副祠堂の3棟で構成されている。
この遺跡は、最古の遺跡群に属していることで全体的に飾り気のない素朴な印象を与えている。屋蓋の天井部分はチャンパ建築様式の特徴である、レンガをずらしながら積み上げる、迫り出し積み工法によって精巧に仕上げられている。
祠堂の外壁に施された偽窓と両側の円柱はレンガを積み上げた後、直接小刀で彫刻が刻まれている。また、内部には赤い布で飾り付けされたヨニとリンガの祭壇が設置され、壁面にはチャム塔の形を模したニッチが設けられている。
遺跡に向い、朝日に光り輝く姿を眺めていると、清々しく穏やかな雰囲気に包まれていく。過ぎゆく時の流れのなか、夕日に染まる光景に安らぎと神秘的な深い感動を憶える。
天井裏に張り付いた黒点はここを棲みかとしているコウモリ達である。この時はストロボを発光したが、ピクリとも動かなかった。 |